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 ▲ 廃 色 地 帯 ▼ 

▶︎Haineのギタリスト◀︎

切ないジジイ

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いつも行くコンビニに気のいいジジイがいる。

 

夜勤として結構長い事働いているみたいで、

 

常連と化している俺にも、夜中行くと気さくに話しかけてくれる。

 

しかしこのジジイ、

 

レジ打ちとか、お釣りとか、ちょいちょいミスっては苦笑いでなんとかやり過ごすおっちょこちょいぶりだ。


ある日、不可解なことが起きた。

 

ふと、レジ打ち中のジジイの胸元を見ると、

「トレーニング中」

のバッジ。

 

嘘だろジジイ。

それってあれだろ!?

外にシールで付いてるソースとかを取らないままレンジでチンしちゃって中で破裂してベトベトになったお弁当を目の前にパニックになっちゃうようなレベルの新人女子高生バイト店員さんとかが付けるようなアレだろ!?(実体験)

 


何年いるんだジジイ。

そのお店で見た中でもダントツ最年長と思しき白髪交じりのジジイ、

 

風体はさながらベテラン店長といったところ。

何かやらかしたのか…?

まぁドジっ子(子?)ジジイだから仕方ないのかな…。


 

しかしなんだか憎めない(?)ジジイ。

 

例のバッジも取れ無事元のレベルに戻って久しい今日の出来事。

いつものように彼の立つレジに行くと、

 

「煙草は!?いつものヤツ??」

と、若干のドヤ顔入ったジジイ。


少し驚きつつも、

(あぁ、今は足りてるな…)

と、断ろうとしたその時にはもうレジ後方の煙草の棚に手をかけているジジイ。(ドヤ顔)

(あぁ、まぁ断るのもなんだし、買っとくか…)

 


「はいじゃぁコレね!!(ドヤ顔)ピッ

(あっ…)

 

(違う…)


(これ全然違う煙草…)

ジジイ…、

 

これ、違う…。

全然いつものじゃないよ…。

もうね、

ドヤ顔だし…、

周りに他の夜勤のお兄ちゃんもいるし…、

 

あのバッジの件もあるし…、

 

ボクは言えなかったよ…。

その煙草の入った袋を黙って受け取るボクは、

もう店を出るまでジジイの顔(ドヤ)を直視できなかったよ…。

 

なんか、

 

切ないね…。


コンビニからの帰り道に吹く風はいつもより冷たかった。


そんな夜に吸う煙草は、いつもとはひと味違うのであった。(だって違う煙草だから)

 

 
ジジイ、俺頑張るよ。(?)